「コチョの作り方」(冊子“Graceful Vibes”より)
8月7日(August 7)、エチオピア歴2016年ナハセ (ነሐሴ)が始まります。このブログでは、エチオピア歴での新しい月の初日に、エチオピア歴のカレンダーと共に記事を投稿しております。
今回は、エチオピアシダマ州でよく食べられている主食「コチョ」がどのように作られるのか、紹介いたします。エチオピアといえば「インジェラ」も有名ですが、地域ごとに作られる主食も少しずつ異なります。「偽バナナ」と呼ばれる木から作られるコチョについて、是非ご覧ください。
「コチョの作り方」
コチョは、Bona Zuria近辺で伝統的に作られている主食です。原料となる木「エンセーテ」は、バナナの木に似ているため偽バナナと呼ばれています。バナナのような実はつけず、主食となるのはその太い茎と根の部分です。
茎を切り出すと玉ねぎのような見た目で分厚い葉茎が何層にも重なっています。茎の一枚一枚から白い繊維質が取り出せます。この繊維質こそが主な材料です。
ギザギザしたナイフで茎を削ぐと、硬い葉の部分が残り、柔らかい繊維が取れます。この繊維を発酵槽に入れ数日するとそぼろ状に分解されます。これを焼いたものがコチャになります。根の部分は山芋のような質感で、木槌で砕いて同じ発酵槽へ入れられます。葉先はお皿やフタに、残った葉の繊維は乾かしてタオルがわりに、全てを無駄なく使えます。
コチョの味は素朴で、小麦っぽいデンプン質な食感です。発酵由来の酸味は少なく、不思議とバナナのような香りもふわっと漂い、そぼろ状のバナナマフィンを食べているような感覚でした。
以上、「コチョの作り方」でした。偽バナナの木を余すところなく使うコチョ作りの現場は非常に興味深いものでした。
次月は、エチオピア暦「13月」となります。エチオピア独自の特殊な暦の解説を致しますので、どうぞお楽しみに。